ヤツのオデコに一文字くれろ!
キン肉マンのオデコには、「肉」って書いてありますよね。
彼を象徴する一文字だったりするわけですね。
時にカッコよく、時にはチャーミング、時にはイタくもみえたりして。
じゃあ、著名人のオデコに、どんな一文字を書いてあげると、気がきいているかしらん?
とゆー事を、皆で考えてみる事にしました。

鎌田浩宮

ヤツのオデコに一文字くれろ!第18回「新井英雄」

「猟」:鎌田浩宮

 

エプスタの「ナンシー関」になれたらいいな、と目指すこのコンテンツ。

基本的に思うのが、どうして下請ばかり叩かれて、元請は報道されないのよ?
下請は元請から無理な工期を言われたり、カネを叩かれたりするわけじゃない?
そんなの、ふくいち(福島第一原子力発電所)見てれば判るよね?
孫請ひ孫請ばかりが被曝して、死んでいくのだ。

そもそも杭打ちは、
「1本や2本、支持層に到達していなくとも、面で支えるから問題はないんです。だから、不足を承知で杭を打ち、改ざんしたデータでお茶を濁す。とはいえ、われわれ業者が、それを勝手にやることはありません。杭の不足は設計施工業者の責任。つまり元請けで、『所長さん、長さが足りませんけど、どうします』と、報告に行きます。でも、それで工事が止まる現場はないでしょうね」
とのことだ。
(現代ビジネス ニュースの深層より抜粋)
だから今回のオデコは、旭化成建材の前田富弘社長じゃなく、三井住友建設の社長・荒井英雄ちゃんです。

もっと基本的なことを言っちゃうとさあ。
他にもっと重要なニュース、あるだろうよ。
世界中が戦争や紛争だらけで、人は殺され殺し合っている。
この国だって辺野古に原発再稼働に戦争法案にヘイトスピーチに、めちゃくちゃな事がまかり通ってる。
家が数㎝傾いて、人が死ぬのかよ?

そもそも、僕らが子供の頃なんて、傾いた家、多かったもん。
蹴飛ばしたら倒れそうで。
僕ん家もぼろいけど、あいつん家もぼろいなあって。
ちょっとくらい傾いてた方が、話のネタになる。
僕ん家さあ、実はあれなんだよって。
ちゃぶ台に味噌汁置くと自然に溢れちゃうんだよって。
自動的に流しそうめんできるぜって。

だもんで、家に資産価値があるだなんてバブリーな発想自体、なかったし。
汗水流さず、土地転がしで儲けようっての、どうかなあ?
狩猟民族、遊牧民的な発想なら、定住せずに生きよ、ってなわけだ。
そーゆー、人類の生き方そのものを見直そうぜって、エリート企業の親玉・新井ちゃんが問いだしたって事なのよ。

今は分からないけれど、大好きな横尾忠則さんが、とてつもない大御所になっても借家住まいだと聞いて。
定住したくない、ふと思いついた時に好きな場所へ引っ越せるようにしたい、という事だったなあ。

ま、新井ちゃん本人は、相当ゴーカな家を購入し、定住しているだろうけどね。
でも、人間は何か事件があると、その人のバックグラウンドに何があったかを知らないくせに、物凄いバッシングを繰り広げるでしょ?
そういうの、よくないよ。
まずは、静観が大事なのよ。


2015.11.06

ヤツのオデコに一文字くれろ!第17回「ピーター・バラカン」

「溝」:鎌田浩宮

彼のラジオって、至極シンプルなんですよね。
いい曲をかけて、いいお喋りがある。
それだけ。
そのお喋りの中には、最近観た映画の話があったり、時には反原発や戦争法案反対の話になったり。
聴かせてあげたい曲をかけて、喋りたい事を話す。

そんな彼が大好きなのだけれど、彼をもっと好きになった理由がある。
リスナーからのメールで
「某さんのライヴに行ったら、ピーターさんをお見かけしました」
というものが、ままある。
その類のメールを読むとと必ず、ピーターさんはこの言葉を添える。
「どうぞ、気軽に声をかけて下さいね」
と。

大体ユーメー人というのは、ファンから怖い目に遭った事も多いはずだ。
追いかけられたり、付きまとわれたり、プライバシーを妨げられたり、その挙句に逆恨みされ、嫌がらせを受けたり。

ピーターさんが政治的な発言をラジオですると、
「バカ外人」
と書き込まれたりするそうだ。
街を歩いていても、いつどんな目に遭うかは、分からない。
それでも彼は、気軽に声をかけてね、と笑顔を絶やさないのだ。

僕は全くの無名人だけれど、書く記事には署名を記すようにしたり、住んでいる街を開けっぴろげに公言したり、自分のプライバシーを風通しの良いものにしているのは、ピーターさんの影響が、ある。

ジョン・レノンがダゴダ・ハウスに住んでいる事は世界中の人が知っていて、結果彼は殺されてしまった。
それでもピーターさんは、信じているんである。
風通しの良い世の中が、存在出来うる事を。

人と人との関係には、なるべく、できれば、願う事ならば、溝がない方が、いいに決まってる。
愛すべきレコードには、溝があって、針を落とすものだけれど。

ヘイ!ピーター、今日もイカした曲を、かけておくれよ!

僕は中学生の頃、彼がYMOの海外マネージャーをしている頃から、彼の番組を観聴きするようになった。
「ポッパーズMTV」、眠い目こすりながら観てたなあ。
震災前から「バラカン・モーニング」を聴いていた。
当時の僕はリーマン・ショックで8年勤めた会社を辞めざるを得なくなり、転職した会社に馴染めずにいた。
そんな時の僕の心に、どれだけ彼の選曲が励みに、慰めになったか。
朝に聴くソウルは、美味いコーヒーの10倍のカンフル剤になる。

震災後も、もちろん聴いていた。
何が正しい情報か全く分からなかったこの国で、彼はなるべく正しい情報と意見の交通整理役を、ラジオの中で買って出ていた。
震災の影響もあり、僕の愛猫が死んだ。
毎日泣いていたその時にピーターさんが、同じく不幸せな死を遂げたエイミー・ワインハウスの「涙は独りでに乾く」をかけた。
それを聴き号泣する中で、僕はどれだけ心を慰められた事か。

ヘイ!ピーター、今日もイカした曲を、かけておくれよ!


2015.07.15

ヤツのオデコに一文字くれろ!第16回「愛川欽也」

「街」:鎌田浩宮

好きな街、沢山ある。
北は二風谷から、南は石垣島まで、ウランバートルだってロンドンだって。
僕の住む三軒茶屋も、好きな街。

ただ、好きな街は多々あれど、国を愛する、とゆー概念になると、僕は興味がなくなってしまう。
国という単位には、必ず権力者がいて、市民の権利よりも優先するものが存在し、軍事力を持ち、時には他国と理不尽な衝突をする。

キンキンは、ド派手なトラックに乗り街中を駆け走り、世界の街を訪ねた「なるほど!ザ・ワールド」から、その名も「アド街ック天国」へと移行していき、権力者も軍隊もない「街」への憧憬をたゆまず続けていった。

「街」は、「天国」である。
平和だから、である。

 

 

愛川欽也さん死去 80歳 東京と平和愛し続け

 「キンキン」の愛称で親しまれた俳優でタレントの愛川欽也(あいかわきんや)(本名井川敏明(いがわとしあき))さんが十五日午前五時十一分、肺がんのため東京都内の自宅で死去した。八十歳。東京都出身。

<評伝> 「戦争をしない、平和憲法を守るってテレビがどこもないから、おれがやってるんだ」。
テレビでおなじみの笑顔の「キンキン」でなく、怒鳴るような口調でぎょっとした。
二〇一四年九月に、愛川欽也さんにインタビューした時のこと。
七十代後半で始めたインターネットテレビの目的をこう語った。
 大ヒット映画「トラック野郎」シリーズの企画を東映に持ち込み、菅原文太さんと共演した。
深夜テレビ「11PM」の司会や、深夜ラジオ「パック・イン・ミュージック」のパーソナリティーのほか、俳優、声優、エッセイストなど、マルチタレントとしてテレビやラジオ、映画などでファンの心をつかんだ。
 東京・巣鴨に生まれ、下町を愛した。心に秘めた強烈なまでの平和への執念。
その原点は、故郷を空襲で焼かれ、親類を頼って秋田や茨城などの疎開先を転々とした子ども時代にある。
 戦後五年たってようやく東京に戻れた。
中学の恩師が新憲法を教えてくれたという。
「日本はこれだけの犠牲を払って近隣諸国に迷惑をかけて、平和国家として道を決めたな、と思った」。
だから改憲の動きには怒りを隠さない。
「戦争があれば街は壊れる。東京が世界に冠たる平和な都市、戦争をしない都市になるには、憲法を変えないこと。そのために、町じゅうの道を『平和憲法通り』って名前にしたらいいんだ」
 「憲法を守って戦争しない街と、そんな人間が残ったら。おれはそれにロマンを感じる」。
憲法と平和の話になると止まらない。
インタビューの時間がなくなると冷や汗をかいたが、本紙を評してキンキンに言われた言葉は忘れない。
「東京新聞の読者の数が平和の数だって言っていいよ」
 本紙連載の「わが街わが友」の最終回では「また、強い国の夢をみる人が増えてきたような気がする。マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振ったり、提灯(ちょうちん)を灯(とも)したりしたらこの半世紀は一体何だったのだろうと思う」と結んでいる。
 「アド街」放送千回の取材で、体調が悪いと聞いて心配していた。
あの元気な声がもう聞けないのは寂しい。 (五十住和樹)

東京新聞 2015年4月17日


2015.06.17

ヤツのオデコに一文字くれろ!第15回「安倍晋三」

「米」:鎌田浩宮

彼は、米米クラブ。
米が、大好き。
米のためなら、何でもしちゃう。
もっと食べておくれよ、と米が言う。
どんぶりで、何杯でも、いけちゃう。
ああ、米は、オイシいなあ。

「米から押し付けられた米国債」
「米から押し付けられたTPP」
「米から押し付けられた基地」
「米から押し付けられた地位協定」
「米から押し付けられた安保条約」
「米から押し付けられた集団的自衛権」
全部、ありがたくいただいちゃう。

「米から押し付けられた現行憲法」
は嫌だ,と訴えるシンゾーくん。
そんなの、嘘だぜ、って、皆知ってるよ。
米から、一緒に戦争できるようになってくれよ、
って、押し付けられてるだけじゃないか。


2015.06.12

ヤツのオデコに一文字くれろ!第14回「沢田研二」

「忌」:鎌田浩宮

ジュリーは、僕が小学生の頃、日本映画史上に輝く傑作
「太陽を盗んだ男」
に主演し、この“TOKIO”を原爆で壊滅させた。
めちゃくちゃ好きな映画だ。

そして現在、ジュリーが何を歌っているか、知ってるかい?
知っている人は既に知っているんだが、
憲法9条を守ろうと歌い、
反原発を歌い、
東京電力や原子力ムラへの怒りを歌っているんだ。
ここでは紹介しきれないけど、
東京オリンピックを皮肉り、
東日本大震災の被災者を想う歌も、欠かさないんだ。

売名行為、じゃない。
そもそも、こんな曲はテレビもラジオも流さないし、
これらを収録したCDも、売れていない。

僕は忌野清志郎が大好きで、僕のように
キヨシローを慕い、それを自ら述べるミュージシャンは、沢山いる。
でも、ジュリーより強く、キヨシローの反骨精神を受け継いで
歌にしている人を、僕は知らない。
僕は、初老の域に入り、世界への怒りを歌うジュリー、すごいと思う。

311以降のこの状況の中で、キヨシローだったら何を歌いたい?
二重の虹の向こうでキヨシローは、地団駄を踏んでいるんじゃないかな。
どいつもこいつも、ダメだなあって。

キヨシローは反原発だけを歌ってたんじゃない。
キヨシローを慕っていたミュージシャンも、
そこだけを継承するわけじゃない。
そんなこたぁ、分かってるんだ、分かってるんだけれど。

キヨシロー!
あなたの頭文字を、あなたの信念の一部を最も引き継いでいる、
ジュリーのオデコに刻んでもいいかい?
そして僕は頭の中でこのジュリーの曲を、キヨシローが歌う姿を想像する。
ジュリーよりも、シャウトが強めなあの素晴らしき声を。

キヨシローは以前ジュリーに
「KI-MA-GU-RE」
という曲を提供し、キヨシロー自身も歌っている。
その時から、ジュリーのオデコに、徐々に変化の兆しがあったのかも知れないよ。

 

【我が窮状】 2008年

麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが
忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない
英霊の涙に変えて 授かった宝だ
この窮状 救うために 声なき声よ集え
我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ

麗しの国 日本の核が 歯車を狂わせたんだ
老いたるは無力を気骨に変えて 礎石となろうぜ
諦めは取り返せない 過ちを招くだけ
この窮状 救いたいよ 声に集め歌おう
我が窮状 守れないなら 真の平和ありえない

この窮状 救えるのは静かに通る言葉
我が窮状 守りきりたい 許し合い 信じよう

 

【F.A.P.P(フクシマ・アトミック・パワー・プラント)】 2012年

太陽と放射線 冷たいね
子供はみんな 校舎の中 育つ
死の街は死なない かけがえのない大事なふるさと
我が家へ 帰れない 希望はあるけど
こんなにしたのは誰だ

BYE BYE A.P.P  BYE BYE 原発
苦しみは いつも複雑すぎるよ 当然
BYE BYE A.P.P  BYE BYE 原発
HAPPINESS LAND 終息していない福島

地球が怒る 何度でも
大人はいつも 子らを 思い悩む
死の街が 愛しい あらゆる不安に苛まれても
偽善や裏切りも これ以上許すの
何を守るのだ国は

BYE BYE A.P.P  BYE BYE 原発
哀しみはは ひとりひとりで違うよ 当然
BYE BYE A.P.P  BYE BYE 原発
HAPPINESS LAND へこたれないで福島

NO 長崎  MORE 広島
人は何故 繰り返すのか あやまち 当然
BYE BYE A.P.P  BYE BYE 原発
HAPPINESS LAND 世界が見てる福島
世界が見てる福島

 

【一握り人の罪】 2014年

昔 海辺の小さな寂れかけた村に
東電が来て 原発速く作りたいと

国の肝入り工事は 直ぐに道路を通し海岸や丘を削って
反対意見は軽んじ
機動隊投入

東電も信じた 受け入れ側も信じた
安全神話鵜呑みに 一握り人の罪

海が命の漁師は 海が死ぬのを怖れた
村はいびつに裂かれた 一握り人の罪
嗚呼無情

いつか原発廃炉に 除染は何年先
東電は未来型エネルギーに無関心か

国もただこまぬくだけ 被災地に 僕たちに
復興延々と進まず 国は荒むよ

僕らに還して国を
原発に乞われた町
神話を流したのは誰 一握り人の罪

原発に怯える町 原発に狂った未来
繰り返すまい明日に 一握り人の罪
嗚呼無情


2014.04.23